いつもあなたは楽しそうで、一緒にいるだけでわたしも楽しくなった。 つらいときも、くるしいときも、かなしいときも、せつないときも、笑っていた。 独特の言い回し、女の子と思うほどの可愛らしい容姿で起こす突飛な行動に 一体どれだけ驚かされただろう。どれだけ、わたしは元気と笑顔を貰っただろう。 ふと気づいたの、わたしは何もしてあげていないってことに。 どこにでもいるようなわたしが、出来ることって、一体なんだろう。 「フェリクス」 「お、どうしたん?」 「んーなんでもない」 「なんなん、意味わからんしー」 考えてみても浮かばなくて、かといって聞く気にはなれなくて そのまま後ろからそっと抱きしめた。フェリクスは何か言ってたけど聞こえないふり。「わけわからんしー」 フェリクスは少しむくれているようだった。 自分から予想外の行動を起こすのは好きだけど、逆にはとても弱い。 そういうところが、可愛いと思う。ずるいなあ、やっぱりわたしばかり。 「なんなん?まじでー」 「ん、フェリクスのために何かしてあげたいなあって思って」 ぽつり、と呟く。 そしたら、こっちを向いたかと思うと首をかしげた。 不思議そうな表情をして、どうしてそんなことを言うのかとばかりに。 「そんなん、もういっぱいもらってるしー」 「へ?」 「俺はもういっぱいもらってるって言ってんの」 「何を?」 もらってる、って言われても。 そんなの逆だ、わたしばっかりもらってるはずなのに。 どうしてだろう。こっちが聞きたい。わたしは何かあげられてるの? そしたら、フェリクスは私の腕に触れて少し恥ずかしそうに言った。 「すきって気持ち、いっぱい貰ってる」 「………、そうかな」 「あえて言うなら、んーちょっと腕はなしてみ?」 「う、うん」 それから、フェリクスはいつもみたいに楽しそうに笑ってから わたしのことをこれでもかってくらい、ぎゅうっと抱きしめてくれた。 びっくりした。うれしかった。やっぱりこのひとがすきだなあ。 「たまには俺に男らしいとこさせろし」 「は、はずかしい…」 「わー顔真っ赤やし。まじうける!」 「そういうフェリクスだって、人のこと言えないよ」 真っ赤になった顔はもう隠せないので、反撃とばかりにそう言う。 だけど、そんなこと言っても、すっかりわたしは彼のペースに飲み込まれる。 もう、このひとにかかれば、わたしの何もかもが貴方のものなのです。 それがきっと、このひとに惹かれたってこと。 「えー?俺さっきトマト食べたから!」 「トマト食べても顔は赤くなりません!」 「ぶーじゃあリンゴ。アップルパイ」 「リンゴの中身は黄色でしょ。もーフェリクスったら」 「あーなんかまじでアップルパイ食べたくなってきたし」 「ふふ、トーリスに作ってもらおっか」 「それいいアイディアだし!俺たち超見守る!」 080708/JUST FEELING |